介護業界にとっての2040年問題

団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年、日本では高齢者人口がピークを迎えます。75歳以上の後期高齢者の割合が全人口の35パーセントを占め、少子高齢化はますます進展し、労働人口の激減、そして労働力不足が深刻になると考えられています。この労働力不足により生じる諸問題が2040年問題です。特に、若年労働者の減少と、それにともなう税金や保険料の減収によって、社会保障制度が成り立たなくなることが懸念されています。

80歳を超えると介護のニーズは高まると言われていますが、高齢化が急速に進むと、これまで以上に介護を必要とする要介護者の数は増えるでしょう。しかし、少子化による若年労働者の減少により、増え続ける要介護者を介護する担い手も減り続けることが予想されます。一般的に、企業が倒産する理由は売り上げ不振によるものが多いですが、今後は、売り上げが好調の場合でも、人手不足によって倒産する企業が増加することが心配されています。そのような中、介護業界は、介護職員の不足に備えて二つの対策を進めています。

まず一つ目の対策として、外国人労働者の受け入れがあり、外国人技能実習制度を活用する介護事業者も増えています。特に、東南アジアの人々の採用が多いです。もう一つは、ロボットやAIなどのテクノロジーを導入することによって業務の効率化を図る方法です。ロボットやAIなどの最新技術の導入は、介護職員の一人当たりの負担を減らすのみならず、要介護者にとっても介護サービスの生産性を上げる救世主になるでしょう。このように2040年問題への対策は、すでに始まっているのです。